日本と世界のオリーブ

イタリアのオリーブ

全てのオリーブオイルが揃う

日本の輸入オリーブオイルの半分以上はイタリア産であることから、オリーブオイルの産地というとイタリアを思い浮かべる方も多いと思います。スペインに次ぐ世界第2位のオリーブオイルの大産地で、イタリアには全てのオリーブオイルが揃っているといわれます。温暖な地中海の中心に延びる半島国で中央には山脈が縦断し、起伏に富んだ日当たりのよい丘陵地はオリーブが育つ格好の条件となっています。そのためどこよりも多様な品種が育っており、各地に銘醸ワインがあるようにその土地ゆかりの栽培園に生まれるオイルの個性も、また、それぞれに魅力を備え千差万別です。

古代ローマ以来の美食の伝統を継ぐイタリア

生産地は大別して北・中・南部そして島嶼。概して甘く、レモンのようなシトラス系芳香がさわやかな北部(タジャスカ、カザリーヴァ種など)、ハーブや若葉の香りもすがすがしくスパイシーな中部(フラントイオ、レッチーノ種など)、新鮮なオリーブ香とアーモンドにも似た風味の、渋みのある南部(コラティーナ、カロレラ種など)、そしてデリケートな島嶼(ビアンコリッラ、ノチェラーラ・デルベリーチェ種など)に分類されます。また、海辺や湖畔に育つオリーブは繊細でありマイルド、山里に育つオリーブは力強くスパイシーという傾向があります。

歴史に偉大な名を残した、古代ローマ以来の美食の伝統を継ぐイタリア。オリーブもまた、自然の産物でありながら、歴史的文化遺産といえるでしょう。2000年の家系を継ぐ伯爵家の農園では、今なお芳しいオリーブオイルが搾られています。

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