本場ヨーロッパでは、ワインのソムリエのように専門の資格を持ったオリーブオイルのテイスターがその品質を鑑定。細かい項目について一つ一つチェックします。最高級の品質のものはエキストラバージンオリーブオイルとランク付けされますが、同じエキストラバージンオリーブオイルであっても味はバラエティに富み、非常に奥深い分類となっています。
日本でもオリーブオイルへの関心が高まってきたことから、近年では専門的に学ぶ人が増え、オリーブオイルソムリエやオリーブテイスターとしてその魅力を伝えようとしています。
世界中で栽培されている品種は専門家の間でも議論がありますが、3,000種以上あるとも言われています。世界各地の栽培家たちが、それぞれの土地に適した品種を何百年もの時を経て、自信と誇りを持って育てています。
日本では、代表的な品種として、ミッション、マンザニロ、ネバディロ・ブランコなどが栽培されています。
同じ品種であっても平地と山地、内陸と海岸部、北部と南部など地理的・気候的条件により、生産されるオイルはそれぞれ特徴が違います。
例えばイタリアでは中部ではピリッとした辛味を、北部ではマイルドな味わいを持つオイルが主流となっていますが、もちろん生産者によっても味わいは変わります。世界中どの産地でも、自分の土地のオリーブオイルがナンバーワンという自負を持っています。
若い果実の色はきれいなグリーンで果肉も堅く、搾れる油の量は決して多くありません。ですが、この時期の実を搾るとビタミンや、ポリフェノールなどの微量成分も多く、比較的刺激性の強い特徴ある味を示します。クロロフィルが残っているのでオイルの色も非常に美しいグリーン色ですが、クロロフィルは光に当るとすぐに分解し、非常に退色しやすいのも特徴です。
ここから果実がだんだん熟してくると、色は赤紫から黒紫へと変化し、実も軟らかくなって収油率も上がります。この時のオイルはゴールデンイエローのきれいな色となり、味も丸みをおびてコクが出てきます。
このように、実の成熟度や収穫時期によってオイルの性質にはさまざまな段階があり、好みや素材にあわせて選ぶのも楽しみ方の1つです。
コショウや唐辛子が入っているかと思うほど刺激のあるものから、まろやかで甘味あるフルーティなオイルまで、全く千差万別のオリーブオイル。食材とレシピによって、この魚にはこれ、このサラダにはこれ、このお肉にはこれと、用途別に素材の良さを最高に活かすオリーブオイルの組み合わせを無限大に探求することができます。
また、天然ジュースそのものですから、同じブランドのオイルでも年によって味や品質は変化します。その年の出来や熟成加減などの違いで、内容が微妙に変わると言う奥深い世界がそこにあります。ぜひあなた好みのオイルを探してみてください。
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