歴史上最古のオイルと言われ、美と健康のシンボルとして現代にいたるまで世界中の人々に愛用され続けているオリーブオイル。IOC(国際オリーブ協会)という機関により、その品質は9つに分けられます。
この分類は化学検査及び官能検査により行われますが、非加熱で機械的物理的に搾油したオイルがバージンオリーブオイル類となります。
バージンオリーブオイル類はその品質により4等級に分類されます。
①エキストラバージン ②ファインバージン ③オーディナリーバージン ④ランパンテバージン
酸度が0.8%以下で、風味がフルーティーかつ欠陥が全く認められないものだけが「①エキストラバージンオリーブオイル」となります。
(実際にはこの0.8%とはかなり「ゆるい」数値と言われており、この程度のオイルでは多くの場合風味に欠陥が認められます)
では、日本で販売されているオイルはどのように規制されているのでしょうか。
日本は上記のIOC(国際オリーブ協会)には加盟しておらず、日本での規格としてJAS法(日本農林規格法)が用いられますが、実はこのJAS法には「エキストラバージン」という言葉が存在しません。
JAS法ではオリーブオイルは①オリーブ油(酸価 2.0%以下)②精製オリーブ油(酸価 0.6%)に分かれるのみ。
その結果、中低等級のバージンオリーブオイルや、有機溶剤で精製した精製オリーブオイル、他の精製植物オイル(大豆油、ひまわり油等)に、希少で高価なエキストラバージンオリーブオイルを少しだけブレンドしても違法ではなく、それらの商品名に『エキストラバージンオリーブオイル』と表示して販売ができてしまうというという現実もあります。
※ちなみに、IOCでは酸度、JAS法では酸価という単位が用いられています。どちらも油脂の酸化の度合いを表す指標ですが、化学的には「酸価」が一般的で、オイルの脂肪酸に含まれる遊離脂肪酸を中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)で表示します。厳密には酸度、酸価は意味合いが異なりますが、酸度(%)=酸価(mg)×0.503という関係で表すことができます。
日本で‘本物’のエキストラバージンオイルに出合うために…以下のポイントに注目してみてはいかがでしょうか。
オリーブは農産物です。良質なオイルをつくるためには、オリーブの木を育て、果実を収穫し、オイルを絞り、ボトリングに至るまで、たいへんな労力と愛情が必要とします。
高いオイル=必ず品質が良いオイルとは言い切れませんが、‘高品質’なオイルを‘大容量・低価格’で実現するのはやはり難しいのではないかと思います。
光・酸素・温度はオリーブオイルの酸化を促進します。
透明のプラスチック容器にはいった大容量のオリーブオイル…それが果たしてオリーブオイルのことを考えて作られているかというと、疑問が残ります。
良質のエキストラバージンオリーブオイルには特有の「辛み」や「苦み」等の風味(味香り)が存在します。
それらはポリフェノールや抗酸化成分の証です。また、嫌な‘油っぽさ’が口に残ることはありません。
良いエキストラバージンオリーブオイルを扱っている人の共通点として、オリーブオイルに対する愛情が深いということが挙げられると思います。
容器の見た目や雰囲気だけでなく、ぜひともその歴史や信念に想いを馳せてみてください。
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